
コンデンサーに誘電体を入れる問題ね。よく見る問題だけど、そもそも比誘電率ってなんなの?
まずは真空の誘電率っていうのがあるんだよね。平行板コンデンサーの電気容量が、極板の面積に比例して、極板間距離に反比例するっていう式の、比例定数だね。

誘電体にも物質ごとに誘電率

っていう値を持っていて、必ず真空の誘電率よりも大きいんだ。で、物質ごとの誘電率は、真空の誘電率との比で表した方が便利なので、比誘電率

っていうのを考えるんだ。

例えば、極板間が真空のコンデンサー(

)があったとして、極板間に誘電率

、比誘電率

の誘電体をすき間なく挿入すると、電気容量は

となるんだ。つまり誘電体を入れると、電気容量が真空の時の

倍になるっていうことなんだ。

ということは、この図で、(a)の電気容量を

とすると、(b)の電気容量は

となるっていうことだ。
そういうことだね。極板間の電場の大きさはどう表せるか知ってる?

その通り。じゃあ、この問題の(a)と(b)ではそれぞれどうなるかな?


になるのかな?っていうか、あれ?誘電体は関係ないの?誘電体があってもなくても同じになるわ。誘電体を入れると電場が弱くなるって教わったような気がするんだけど・・・
おっ、なかなか分かってるね。だけど理解が中途半端かな。確かに誘電体を入れると電場が弱くなることがあるんだけど、それは「電気量が変わらない場合」という条件があるんだ。


ところがこの問題は、電圧が一定で、電気量が変化するパターンなんだよ。つまり、誘電体を入れた時、電場が弱くならないように電源から電荷が供給されて、電場の大きさは変化しないということになるんだ。

なるほどね。次は静電エネルギーね。これは

と組み合わせて、いくつかの式があるのよね。

この問題は電圧が一定で、電気容量が

倍になるということなので、

ね。
