センター2015物理追試第4問A「斜方投射」

t4A1

t4A2

物理が苦手な文子
斜方投射の問題ね。こんな感じの運動ね。

t4A4

物理が得意な秀樹
そうだね。放物運動だね。

物理が苦手な文子
小球の運動は、水平方向と鉛直方向に分けて考えればいいのよね。ここまでは簡単ね。

t4A5

物理が得意な秀樹
大丈夫だね。

物理が苦手な文子
まずはx方向から考えるわ。x方向は等速直線運動だと考えるのよね。

t4A6

物理が得意な秀樹
そうだね。

物理が苦手な文子
等速直線運動の移動距離は速さ\times時間だから、

    $$x=v_0\cos{\theta}\times t=v_0t\cos{\theta}$$

物理が得意な秀樹
ここまでは、簡単だね。答えは⑤か⑥に絞られたね。

物理が苦手な文子
y方向は鉛直投射と同じね。上向きが正なので、重力加速度gは下向きで考えるのね。

t4A7

物理が苦手な文子
等加速度直線運動の公式x=v_0t+\frac{1}{2}at^2を使って、

    $$y=v_0\sin{\theta}\times t+\frac{1}{2}\times (-g)t^2=v_0t\sin{\theta}-\frac{1}{2}gt^2$$

物理が得意な秀樹
正解だ!答えは⑥だね。次は問2。

t4A3

物理が苦手な文子
台が動いちゃうのね。どうしよう。

物理が得意な秀樹
小球と台の運動を別々に考えるよ。まずは台の方が簡単かな。

物理が苦手な文子
台の加速度を求めるんだけど、小球を投げ上げたときの台の速さが書いていないから、式が立てられないわ。

物理が得意な秀樹
そうなんだよね。実は「書いていない」ということは、どんな速さで動いていても、答えは変わらないっていうことなんだ。

物理が苦手な文子
へ〜、そうなんだ。

物理が得意な秀樹
ということは、速さが0のときを考えると計算が簡単になるよね。

物理が苦手な文子
なるほど、そうしましょう。

物理が得意な秀樹
そうなんだけど、一応今は速さがvとして考えてみない?

物理が苦手な文子
え〜そうなの。まぁどんな速さでも同じなのか確かめてみるっていうことね。

物理が得意な秀樹
次に小球の運動を考えてみると、まず投げ上げた角度が60°となっているので、代入しちゃうよ。それと、台の速さがvのときに投げ出すので、小球も水平右向きにvだけ速さが速くなるよ。図で表すとこんな感じかな。

 

t4A8

物理が苦手な文子
この図ができれば、なんとかなるかな?でも「小球が原点0に戻ってきた」というのを、式で表すにはどうすればいいのかな?

物理が得意な秀樹
そのあたりがなかなか難しいね。戻ってくる、ということを表すには、どうすればいいかな?

物理が苦手な文子
小球が落ちてきたときに、小球の位置と、原点の位置が同じであることかな。

物理が得意な秀樹
その通り!水平方向だけ考えると、台は等加速度運動で、小球は等速運動なので、台と小球の運動は違うね。だけど、落ちてきたときには同じ位置にあるっていうことだね。

物理が苦手な文子
そうよね。でも、落ちてきたときっていうのが、どうなるのかな?

物理が得意な秀樹
斜方投射で、落ちてくるまでの時間を求めよ、っていう問題をやったことないかな?

物理が苦手な文子
そう言われるとやったことあるような気がするけど・・・覚えてないよ。

物理が得意な秀樹
そうか。落ちてくるまでの時間をtとして、鉛直方向だけ考えるんだけど・・・

物理が苦手な文子
なるほど。x=v_0t+\frac{1}{2}at^2の式を使って、求めるのかな?

物理が得意な秀樹
やってみよう!

物理が苦手な文子
鉛直方向だけ考えて、戻ってくるまでの時間だからx=0とすればいいのね。

    $$0=\frac{\sqrt{3}v_0}{2}\times t + \frac{1}{2}\times (-g)t^2$$

    $$ t\left(\frac{\sqrt{3}v_0}{2}-\frac{1}{2}gt\right)=0$$

物理が苦手な文子
t\neq 0なので、

    $$ \frac{\sqrt{3}v_0}{2}-\frac{1}{2}gt=0$$

    $$\therefore t=\frac{\sqrt{3}v_0}{g}$$

物理が得意な秀樹
これで落ちてくるまでの時間が分かったね。

物理が苦手な文子
この時間の間に、等加速度で台が動いた距離と、等速度で小球が動いた水平成分の距離が等しいのよね。

物理が得意な秀樹
そういうこと!

物理が苦手な文子
台にはx=v_0t+\frac{1}{2}at^2の式を使って、小球の水平成分には距離=速さ\times時間を使って、

    $$vt+\frac{1}{2}at^2=\left(\frac{v_0}{2}+v\right)t$$

物理が苦手な文子
t\neq 0なので、

    $$v+\frac{1}{2}at=\frac{v_0}{2}+v$$

    \begin{eqnarray*}a&=&\frac{v_0}{t}\\ &=&\frac{v_0}{\frac{\sqrt{3}v_0}{g}}\\ &=&\frac{1}{\sqrt{3}}g\end{eqnarray*}

物理が苦手な文子
できた!

物理が得意な秀樹
計算が大変だったけどできたね。答えは②だ。結果的にvが消えたでしょ。つまりどんな台がどんな速さでも結果は同じになるということだね。

物理が苦手な文子
へ〜面白いわね。

 

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