センター2016物理第3問B「薄膜干渉」

3B-1

3B-2

物理が苦手な文子
薄膜干渉の問題ね。よく見る問題かな~と思ったら、聞かれているのはあまり見たことがない内容だわ。

物理が得意な秀樹
そうだね。時間の関係がたくさん聞かれているね。まぁでも考え方は基本通りなのでやってみよう。まず、光が屈折率nの媒質に入ると、何が変化するか分かるかな?

物理が苦手な文子
えっと、波長と速さがn分の1になるのよね。

物理が得意な秀樹
その通り!この関係は屈折の法則から求められるんだけど、覚えておいた方がいいかもね。あと、振動数は?

物理が苦手な文子
振動数は変わらないでしょ。

物理が得意な秀樹
分かってるね。それじゃあ簡単だ。まず最初の空欄はどうなる?

物理が苦手な文子
これは時間を求めるから、距離÷速さで出せるわ。距離は往復だから2d、速さは\frac{c}{n}なので、

\begin{eqnarry*}t&=&\frac{2d}{\frac{c}{n}}\\&=&\frac{2nd}{c}\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
その通り!じゃあ次は?

物理が苦手な文子
強め合う条件を時間で考えたことはないわ。

物理が得意な秀樹
そうだね。僕もないよ。なので、とりあえず普通に強め合う条件を求めてみようか。

物理が苦手な文子
じゃあ、経路差は2d、境界Aだけで位相が反転するので、強め合う条件は・・・

物理が得意な秀樹
おっと、あと波長が変わることも考慮しなきゃね。

物理が苦手な文子
そうだった。波長は\frac{\lambda}{n}となるのね。

    $$2d=(m+\frac{1}{2})\frac{\lambda}{n}$$

物理が得意な秀樹
おしい!選択肢を見るとかっこの中がm-\frac{1}{2}になってるでしょ。

物理が苦手な文子
そうか、普段やっていた問題はm=0から始まっていたけど、この問題は正の整数だからm=1から始まっているっていうことね。

物理が得意な秀樹
あとは最初の空欄の答えと合わせてdを消去すればいいかな。

物理が苦手な文子
ということは、d=\frac{tc}{2n}より

 

    $$2\times \frac{tc}{2n}=(m-\frac{1}{2})\frac{\lambda}{n}$$

    $$t=(m-\frac{1}{2})\frac{\lambda}{n}\times \frac{n}{c}$$

物理が苦手な文子
c=f\lambdaより

    $$t=(m-\frac{1}{2})\frac{1}{f}$$

物理が得意な秀樹
そうだね。では問4。

3B-3

物理が苦手な文子
薄膜の厚さが光の波長より十分に薄いときって、どういうこと?

物理が得意な秀樹
例えば、最初の強め合う条件

    $$2d=(m-\frac{1}{2})\frac{\lambda}{n}$$

物理が得意な秀樹
を考えると、強め合う最小の厚さがあるっていうことだね。

物理が苦手な文子
そういうことか。

物理が得意な秀樹
だけどまだ膜は薄くすることができるので、さらに薄くなるとだんだんと弱め合っていくということになるね。

物理が苦手な文子
まぁ、そういうことか。

物理が得意な秀樹
mが正の整数であることを考慮すると、弱め合う条件は

    $$2d=(m-1)\frac{\lambda}{n}$$

物理が得意な秀樹
ということになるね。m=1のとき、d=0だよね。これって、薄膜が存在するためにはd=0になることはないんだけど、d=0に近づくにつれてどんどん弱め合うっていうことなんだ。

物理が苦手な文子
なんとなく理解できるわ。

物理が得意な秀樹
問題に戻ると、まず十分に薄いときは弱め合う。そこから厚くしていくと今度は強め合う。さらに厚くしていくと再び弱め合う。このときの膜の厚さがd_1なんだね。ということは、d_1のとき、mはいくつかな?

物理が苦手な文子
最も薄いときがm=1なんだから、次はm=2ね。弱め合うときの式に入れると、

    $$2d_1=\frac{\lambda}{n}$$

物理が苦手な文子
を満たす時ね。

物理が得意な秀樹
そうだね。ということは、d_1が最も小さいのは、何色の時?

物理が苦手な文子
d_1\lambdaに比例するので、波長が短い青色の時ね。

物理が得意な秀樹
そうだね。波長の短い順に並べると青、緑、赤だよね。というわけで、答えは③だ。

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