確かに理解するのが難しいね。問題自体は難しくはないんだけど、苦手な人が多いのは確かだね。問題文にいきなり出てくる「光電効果」って知ってる?
聞いたことはあるけど、よく分からないわ。でも何となく覚えているのは、この分野に入るまで「光は波だ!」と言っていたのに、ここでは「光は波でもあるし、粒でもある!」ということかな。
その通り!光が粒だと考えないと説明できない現象が、この光電効果なんだ。だから最初の空欄は「粒子性」だね。
次の空欄は電子が得るエネルギーが
なのか、
なのかという選択肢だね。
何となく
は聞いたことある気がする。確か、光のエネルギーは赤よりも紫の方が大きいんだったわよね。波長が短い方がエネルギーが大きいっていうことだから、振動数で考えると、振動数が大きい方がエネルギーが大きくなるのよね。
すばらしい!その通りだね。光速を
とすると、
だから、振動数と波長は反比例の関係だからだね。まぁそういうわけで、
が正しいね。最後の空欄はどう?
簡単に言うと、「電子は、光からのエネルギーを受け取った結果、金属から飛び出して、運動する」っていう感じで考えてみるとどう?
なるほど。光から受け取るエネルギーが
で、金属から飛び出すために必要なエネルギーが仕事関数
なのね。で、運動エネルギーが
だとすると、
ということね。ただ、問題文に「運動エネルギーの最大値は」と書いてあるのはなぜ?
仕事関数って、電子が金属から飛び出すための最小のエネルギーなんだよね。つまり、
なので、
はこれ以上小さくならないということで、
は最大値ということになるんだ。
この装置もグラフも見たことはあるけど、よく分からないのよ。
詳しいことは教科書などを見て欲しいんだけど、簡単にポイントだけ説明するね。電極bに光が当たると、さっきの光電効果により電子が飛び出すんだよね。で、電極aが正極だと電極bから飛び出した電子は電極aにたどり着くんだけど、電極aが負極でもたどり着くことがあるんだ。
そうなんだよ。負極にたどり着くくらい大きな運動エネルギーを持っているっていうことなんだけどね。それがグラフの左側部分だね。
なるほど、
がマイナスということは、電極aが負ということなのね。グラフが
で切れているのはどういうこと?
最初に考えるのは、電位差
を電気量
の電荷を移動させるのに必要な仕事はいくらになるかな?
ん~いろんな公式があって覚えるのが大変なんだけど、たぶん電位差が大きければ大きいほど必要な仕事は増えるし、電気量も大きければ大きいほど必要な仕事は増えそうだから、
でどう?
センスが良いね。正解だ!ということは、今は電位差が
で、電気量は
なので、たどり着くのに必要な仕事は
になるんだ。
一方、電極bを飛び出した電子の運動エネルギーは
だから、このエネルギーが
よりも大きければ、電極aにたどり着くんだ。
ただ、問1の最後の空欄にあるように、運動エネルギーには最大値があるんだよね。この最大の運動エネルギーで、ぎりぎりたどり着く電位差が
なんだな。
ここまで理解できれば、もう大丈夫。最大の運動エネルギー=
とすればいいね。
なるほど、そういうことね。じゃあ、計算してみるわ。
振動数が大きいと、光子のエネルギーが大きくなるから、電極bから飛び出す電子の運動エネルギーが大きくなるよね。電子の運動エネルギーが大きくなると、
が大きくなっても電極aにたどり着くっていうことね。
なかなかいい感じだね。じゃあ、グラフはどうなるかな?
振動数が大きいと、
の点が左に移動するわね。
この問題では
は移動していないから、振動数は交換前と等しいのね。
今、光は粒だと考えているんだね。その光の粒を光子といって、光子の数が多いと、光子にぶつかって飛び出す電子の数も増えるよね。
そうか、一般的に電子の数が増えれば、流れる電流が大きくなるわね。
今は、
より小さくなっているので、光子の数が交換前より少ないということね。