

■ファラデーの電磁誘導の法則とは?
コイルの問題ね。電流が流れるか,流れないかという問いだけど,回路に電池がないわね。
ということは,電流を流しそうなものはコイルしか無いね。
コイルが電池になるっていうことなんだけど,電磁誘導っていう現象なんだ。
基本となるのは,「ファラデーの電磁誘導の法則」だよ。

この式は,「コイルを貫く磁束が変化すると,コイルに起電力が生じる」っていう意味なんだ。
コイルに起電力が生じるっていうのは,コイルが電池になるっていうことだよ。

の部分が磁束の変化ね。

■磁束,磁束密度,磁場の違い
そういう意味で考えればいいのね。「磁束」と「磁束密度」と「磁場」ってどう違うの?
この3つはほとんど同じようなものなんだけど,もちろん厳密には違うんだ。

磁場

に透磁率

をかけると磁束密度

になって,磁束密度

に面積

をかけると磁束

だね。
式自体は簡単だけど,文字の種類が多いので覚えにくいわね。
文字の多さが電磁気分野の嫌なところでもあるよね。とにかく,今大切なのは磁束が変化するとコイルに起電力が生じるということだ。
起電力が生じるというのは,回路に電流が流れるということね。
そうだね。なので,磁束が変化している時間を探せば答えになるね。

でもこれだと,磁束密度の変化は分かるけど,磁束の変化ではないわね。
さっきの式

で,コイルの断面積

は変わらないから,磁束密度が変化していれば磁束も変化していることになるね。

■電流の向きを求めるがなかなかたいへん
まず,スイッチをQ側に入れたので,ダイオードが回路に加わったね。
ダイオードは,問題文にある通り,左から右には電流を流すけど,逆向きには電流を流さないのね。

そうだね,問題文の通りだね。ちょっとここで「ファラデーの電磁誘導の法則」の式にある,「マイナス」について説明しておくよ。

そう。式には「マイナス」が付いているけど,計算をする時には,「マイナス」を付けないんだ。あくまでも「磁束の変化を妨げる」向きを考えるんだよ。
まあ,とりあえずやってみよう。まずは磁束が変化しているグラフの最初の部分を見てみるよ。




ちょっと長かったかな。結局電流は流れるという結論なんだけど,分かったかな?
■一度ちゃんとやると,あとは簡単
だいたい理解したつもりだけど,まだ続きがあるからやってみるわ。


最初の方だけ考えると,あとは同じね。なので,このときも電流は流れるわね。
それじゃあ,

から

まではどうなるかな?


今までとは逆ね。逆ということは,ダイオードの向きを考えると,電流は流れないわね。
その通りだ。結局,電流が流れるのは,時刻が

と

の間だけだね。
■計算をするときは「マイナス」を取る
ファラデーの電磁誘導の法則

で求められるね。
やってみるわ。だけど,計算するときは「マイナス」は付けないのよね。
そうだね。問題文にも求めたいのは「電圧の大きさ」と書いてあるからね。
分子にある

はどうすればいいの?
グラフから分かるのは磁束密度だから,

を使うんだけど,

が付くと,

か

のどちらかに

が付くんだ。

なるほど。今は

は変わらないから,

を使えばいいのね。それでは,
