センター2017物理基礎第2問A「弦の振動とうなり」

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■問題文から波長を求める

物理が苦手な文子
振動数が360Hzで,弦の長さが0.450mということが分かっていて,弦を伝わる波の速さを求めるのね。でもそんな公式あったかしら?

物理が得意な秀樹
その情報から波の速さを直接求める公式はないね。まず波の速さといえば,よく使う公式があるね。

物理が苦手な文子
これでしょ?

物理が得意な秀樹
これだね。今は速さvを求めたくて,振動数fが分かっているから,波長\lambdaが分かればいいんだよね。

物理が苦手な文子
そういうことになるわね。

物理が得意な秀樹
その波長を弦の長さから求めるんだ。

物理が苦手な文子
弦の長さ=波長っていうこと?

物理が得意な秀樹
違うよ。実は凄く大切なのは問題文の一番最初「基本振動数が360Hz」っていうところなんだよ。基本振動って分かる?

物理が苦手な文子
弦の基本振動って,真ん中が腹になっている振動よね。

■図を描くことはとにかく大切

物理が得意な秀樹
そう,図で描くとこんな感じ。

物理が苦手な文子
そうか。この図を見ると,波長が分かるのね。

物理が得意な秀樹
ということは,\lambda=0.900mだね。

物理が苦手な文子
弦を伝わる波の速さvは,

    \begin{eqnarray*}v&=&f\lambda\\&=&360\times 0.900\\&=&324\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
324m/sだね。次は,腹が2つの定常波だよ。

物理が苦手な文子
これも図を描いて波長を求めるのね。

物理が苦手な文子
弦の長さは変わっていないから,波長は0.450mね。

物理が得意な秀樹
そうだね。

物理が苦手な文子
弦を伝わる波の速さは変わっていないので,これもv=f\lambdaより,

    \begin{eqnarray*}f&=&\frac{v}{\lambda}\\&=&\frac{324}{0.450}\\&=&720\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
720Hzだね。答えは④だ。問2にいこう。

 

■物理の絶対値は難しくない

物理が苦手な文子
うなりって振動数の差の分だけ起こるのよね。

物理が得意な秀樹
そうだね。厳密には1秒間のうなりの回数Nが,振動数の差だね。

物理が苦手な文子
そうそう,絶対値が付くのよね。絶対値は苦手だわ。

物理が得意な秀樹
数学で絶対値が出てくると,場合分けをしたり,ややこしい問題があるけど,物理では単純に「大きい方から小さい方を引いてね」という意味にとっていいんだよ。

物理が苦手な文子
単純な話なの?

物理が得意な秀樹
ちょっとやってみよう。弦楽器の振動数をf_1=360Hz,おんさの振動数をf_2とするよ。4秒間に8回のうなりが聞こえたということは?

物理が苦手な文子
1秒間では2回のうなりになるから,

    $$2=|360-f_2|$$

物理が苦手な文子
ということよね。絶対値はどうすればいいの?

物理が得意な秀樹
絶対値の中の,大きな数値から小さな数値を引くと2になるよ,という意味の式なんだよ。つまり,f_2は次の2つしか考えられないんだ。

f_2が360より大きければ,f_2=362Hz

f_2が360より小さければ,f_2=358Hz

物理が苦手な文子
そういうことか。難しくはないわね。

物理が得意な秀樹
そうでしょ?あとは問題文を読んで,どっちが正しいかを考えるんだ。

物理が苦手な文子
弦楽器の音が高くなったら,うなりはなくなった,と問題文にあるので,f_2=362Hzね。

物理が得意な秀樹
その通りだ。答えは⑤だね。

 

 

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