

■まずは力の矢印を描こう
3つの物体が重なっているのね。とりあえず,力の矢印を描けばいいの?
そうだね。とにかく力の矢印を描くことくらいしかできることはないよね。ただ,この図の中に力の矢印を描いちゃうと,どの矢印が何の力を表しているのか分かりにくくなるので,3つの物体を分けた方が良いかな。


そうだね。Aにはたらく力の矢印だけを描くんだ。Aにはどんな力がはたらいている?
一般に物体にはたらく力は,重力と,くっついているところから受ける力の2つを考えればいいのよね。

■それぞれの物体ごとに力の矢印を描く
Aは質量が

だから,重力の大きさは

ね。AとくっついているのはBだから,Bから受ける力を描けばいいわね。

それでいいね。この「AがBから受ける力」は,いつもは「垂直抗力」って言うよね。
確かに「垂直抗力」なんだけど,この問いのように物体が重なっていると,3つの物体がそれぞれ垂直抗力を受けているし,このあと垂直抗力の反作用を考えたりしなきゃならないので,「AがBから受ける力」と書いておいた方が分かりやすいね。

Bにはたらく重力は

で,BにくっついているのはAとCだから,それぞれ力を受けるのよね。

よく上に乗っているAから受ける力を忘れることが多いので,「くっついているもの」をしっかりと確認することが大切だね。最後にCにはたらく力も描いちゃおうか。

Cにはたらく重力は

,くっついているのはBと床ね。

これで,3つの物体それぞれにはたらく力の矢印は全部描いたので,問題文を読み直してみようか。「物体Bに物体Aが及ぼす力」ってどれのことか分かる?
これって,さっきの図でいうと「BがAから受ける力」のこと?
そうだよね。言葉の問題でちょっとややこしいけど,Bが受けている力のことだよね。

それじゃあ,Bが受けている力の図で,「BがAから受ける力」が

っていうことね。同じように考えると,

は「BがCから受ける力」ね。図に加えてみるわ。

■作用反作用の関係を考えよう
それでいいね。そうすると,どこかに作用反作用の関係の力はないかな?
「BがAから受ける力」の反作用は「AがBから受ける力」ね。つまりAにはたらいている垂直抗力が

なのね。「垂直抗力」じゃなくて「AがBから受ける力」と書いておいたのは,この作用反作用の関係を見つけやすくしたのね。

そうだよ。作用反作用の関係と力のつり合いの関係はどちらも「大きさが同じで向きが逆」っていう特徴があるけど,言葉で書いておくと作用反作用の関係は見つけやすいんだ。
それじゃあ,Aが受ける力の図と,Cが受ける力の図にも描き加えておくわね。


Cが受ける力の図の中の,「Cが床から受ける力」はどうすればいいの?
Cが受ける垂直抗力だから,

としておこうか。あとは3つの物体に対して力のつり合いの式を立てよう。
それでは,すべて鉛直上向きを正として力のつり合いの式を立てるわね。



そうすると,

と

の比も求まるね。
①より,

②より,

よって,
