■「リアクタンス」の前に「インダクタンス」
教科書ではコイルが出てくるあたりから,似たような言葉が並ぶよね。「インダクタンス」,「リアクタンス」,「インピーダンス」などね。
この中で「インダクタンス」はコイルによって決まっている値なんだ。「このコイルの自己インダクタンスは3μHだ」っていう感じだね。
「この電気抵抗の抵抗値は3Ωだ」っていうのと一緒?
そういうことだよ。「このコンデンサーの電気容量は3μFだ」っていうのも一緒。
「3マイクロヘンリー」だよ。「H」というのが自己インダクタンスの単位で「ヘンリー」と読むんだ。「μ」は100万分の1を表していて「マイクロ」と読むんだね。
「自己インダクタンス」って,何で「自己」って付いてるの?
インダクタンスには「自己インダクタンス」と「相互インダクタンス」という2種類があるんだ。「相互インダクタンス」の方は,2つのコイルが組み合わさって決まる値なんだ。自己誘導起電力,相互誘導起電力の式に出てくるんだ。
■「リアクタンス」って何?
まぁ,この式は今は使わないから「そういう式があるんだ〜」っていう感じでいいよ。話を問題に戻すと,「リアクタンス」について考える問題だよね。
コンデンサーやコイルに交流電圧をかけると,電圧と電流の間にオームの法則のような関係が成り立つんだ。その関係で,抵抗に相当する部分を「リアクタンス」というんだ。なので,リアクタンスの単位は「オーム〔Ω〕」なんだ。
交流の時だけ「抵抗のようなもの」になるっていう感じかな。オームの法則は成り立つけど,ジュール熱は発生しないし,そもそも直流だと成り立たないんだ。
コンデンサーやコイルのリアクタンスは,次のような式で表すことができるんだ
導き出せることは出せるんだけど,覚えておいた方がいいかな。
この式を覚えておけば,この問題に関してはすぐに答えが出るよね。
確かにそうね。コンデンサーのリアクタンスは,交流の角周波数
に反比例するし,コイルのリアクタンスは
に比例するわね。