センター2017物理追試第2問A「電流計と内部抵抗(分流器と電圧計)」

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■とにかくオームの法則

物理が苦手な文子
電流計の「内部抵抗」って,なんで考えなきゃダメなの?

物理が得意な秀樹
実際に抵抗があるからね。抵抗がないと電流計の針も動かないんだよ。「内部抵抗」っていう名前にはなってるけど,普通の「抵抗」だと考えればいいから,そんなに難しくはないよ。

物理が苦手な文子
そうなの?

物理が得意な秀樹
とにかく問題文に書かれている情報を図の中に描き加えていこう。

物理が苦手な文子
分かったわ。図に描かれていない情報としては,「電流計を流れる電流の大きさがI」となっているから,まずはIを描いておくわ。流れる向きは右向きでいいわよね。

物理が得意な秀樹
そうだね。下にある電池の向きを考えると,電流計を流れる電流の向きは,右向きだね。そうすると,電流計にかかっている電圧が分かるね。

物理が苦手な文子
そうか。内部抵抗がrで,そこを流れる電流の大きさがIだから,オームの法則を使うのね。

物理が苦手な文子
そうすると,電流計の両端の電圧はrIになるわね。

物理が得意な秀樹
求めたいのは抵抗Aを流れる電流の大きさだけど,まだ求まりそうにないね。次はどうしようか。

物理が苦手な文子
真ん中にある抵抗について考えるの?

物理が得意な秀樹
そうだね。何が分かる?

物理が苦手な文子
真ん中の抵抗って,電流計の内部抵抗と並列だと考えていいの?

物理が得意な秀樹
そうだよ。電流計の絵が描かれているので,迷うかもしれないけど,電気回路としては,電流計の絵は無視して,単純に2つの抵抗は並列だと考えていいよ。

■並列の場合,電圧は同じ

物理が苦手な文子
並列だと,電圧が同じだから,真ん中の抵抗にかかる電圧もrIね。

物理が得意な秀樹
ということは,真ん中の抵抗を流れる電流も分かるね。

物理が苦手な文子
抵抗値がR_1で,電圧がrIと考えるのね。流れる電流をiとしてオームの法則を使うと,こうよね。

    $$i=\frac{rI}{R_1}$$

物理が得意な秀樹
いいね。そうすると,ようやく抵抗Aを流れる電流の大きさI^{\prime}が求められるね。

物理が苦手な文子
上の2つの抵抗に流れる電流を合わせたのが,I^{\prime}ね。

    \begin{eqnarray*}I^{\prime}&=&\frac{rI}{R_1}+I\\&=&\frac{rI+R_1I}{R_1}\\&=&\frac{r+R_1}{R_1}I\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
正解だ。答えは⑦だね。次に行ってみよう。

■問2は問1とほとんど同じ流れで解ける

物理が得意な秀樹
この問題も,問1と同じように考えればいいんじゃないかな。

物理が苦手な文子
それじゃあ,まず問題文にある「電流計を流れる電流」を描くわね。

物理が得意な秀樹
次は?

物理が苦手な文子
抵抗値と電流の大きさが分かれば,電流計にかかる電圧は,rIよね。

物理が得意な秀樹
ここまでは問1と全く同じだね。

■直列の場合,電流は同じ

物理が苦手な文子
今度は,電流計と左上にある抵抗は直列につながっているから,流れる電流は同じよね。

物理が得意な秀樹
そうだね。

物理が苦手な文子
すると,この左上の抵抗にかかる電圧がオームの法則によってR_2Iと分かるわね。

物理が得意な秀樹
順調だね。今求めたいのは,抵抗Bの両端の電圧の大きさだね。

物理が苦手な文子
抵抗Bの両端の電圧の大きさをV^{\prime}とすると,上の2つの抵抗にかかる電圧の和だから,

    \begin{eqnarray*}V^{\prime}&=&rI+R_2I\\&=&(r+R_2)I\end{eqnarray*}

物理が得意な秀樹
正解!答えは⑤だね。

 

 

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