センター2019物理追試第6問「p-Vグラフによる仕事,熱の出入り,温度」


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気体のする仕事はピストンの動きをイメージする

物理が得意な秀樹
まずはグラフの確認をしようか。
物理が苦手な文子
過程A→Bの定積変化と過程C→Aの定圧変化はグラフから分かるけど,曲線部分の過程B→Cが断熱変化というのは,問題文をちゃんと読まないとわからないわね。
物理が得意な秀樹
同じような曲線に等温変化もあるからね。まずは,外部にする仕事の正負だ。
物理が苦手な文子
単純にピストンの動きで判断していいのよね。体積が増えていれば外部にした仕事は正,体積が減っていれば外部にした仕事は負,定積変化では外部にした仕事は0ね。
物理が得意な秀樹
そうだね。外部にした仕事が正なのは,過程B→Cだけなので,答えは②だ。

熱の出入りは熱力学第一法則で考える

物理が苦手な文子
熱を放出する過程は,すぐには分からないかな?
物理が得意な秀樹
まぁなんとなくは分かるかもしれないけど,しっかりと考えるには,このp-Vグラフと温度の関係を確認しておこう。
物理が苦手な文子
グラフの右上の方が高温で,左下の方が低温ね。等温曲線は双曲線なのね。
物理が得意な秀樹
ここで,内部エネルギーの変化は温度変化に比例するから,熱力学第一法則を考えると,熱の出入りが分かるね。
物理が苦手な文子
まず,過程A→BはW=0で,温度が上がっているから\Delta U>0。つまり,外部から熱を吸収しているわね。
物理が得意な秀樹
その通り!
物理が苦手な文子
過程B→Cは断熱変化だから,熱の出入りは0。過程C→AはW<0で,温度が下がっているから\Delta U<0,ということはQ<0になるから,外に熱を放出しているわね。
物理が得意な秀樹
よくできたね。外部に熱を放出している過程はC→Aだけなので,答えは③だ。

断熱曲線は等温曲線よりも急!

物理が苦手な文子
グラフを見ると,Aが最も低温ね。あとは,BとCの温度関係が分かればいいんだけど・・・
物理が得意な秀樹
等温曲線と断熱曲線の違いはこんな感じだよ。
物理が苦手な文子
断熱曲線の方が等温曲線よりも急な傾きなのね。
物理が得意な秀樹
これを今の問題で考えてみるとこうなるよ。
物理が苦手な文子
そうか,CはBを通る等温曲線よりも下にあるし,BはCを通る等温曲線よりも上にあるから,いずれにしてもBの方が温度が高いのね。
物理が得意な秀樹
そういうことになるね。
物理が苦手な文子
温度の関係をまとめておくと,

    $$T_B>T_C>T_A$$

ということね。
物理が得意な秀樹
その通り。答えは④だ。
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