そうだね。図があっても良さそうな問題だけど、図が無いということは、「文章を理解して自分で図を描いてみよう」、というのも問われているのかな。まぁとりあえず図を描いてみようか。
まずは水平面と角度
をなす斜面に、物体がすべり下りているということだから、
物体の質量が
だから、重力の大きさは
でいいわね。
次は物体にくっついているところから受ける力を描こう。
くっついているのは斜面しかないわね。なので斜面からは垂直抗力を受けるわね。
垂直抗力の大きさは
としておくよね。あとは?
物体とくっついている斜面は「あらい斜面」と問題文に書かれているので、摩擦力がはたらいているわね。
物体がすべり下りている途中だから、動摩擦力ね。大きさは
だから、
物体にくっついているものはないから、これで全部ね。
物体には3つの力がはたらいているけど、物体の運動方向とそれに垂直な方向に分けるのね。つまり重力を分ければいいわね。
確かここが
ね。
の場所が分かれば、重力を分けた2つの力の大きさが分かるね。
と
を使うのね。
これで完成だね。問題に戻ると、まずは垂直抗力の大きさを求めたいんだな。どうしようかな?
斜面に垂直な方向は力がつり合っているのよね。だから、垂直抗力
の向きを正として、力のつりあいの式を立てると、
この物体って、だんだん速くなってるの?だんだん遅くなってるの?摩擦がなければ速くなるんだろうけど、摩擦があるから、遅くなっていくような気もするし・・・
なかなかいいね。実は速くなっているか、遅くなっているかは分からないんだ。例えば、「静かに手を離したところ、物体はすべり始めた」っていう状況であれば、だんだん速くなっていくんだよね。
初速度0から動き出すんだから、だんだん速くなるのね。
そうなんだ。だけどこの問題には、動き始めた状況が書かれていないし、他にも状況が分かりそうな記述がないので、だんだん速くなるのか、だんだん遅くなるのかは分からないんだ。
そんなことないよ。問題文に「斜面に沿って下向きを加速度の正の向きとする」って書いてあるから、それに従えば良いだけなんだ。結果として斜面下向きに加速するのであれば、加速度は正で出てくるし、減速するのであれば、加速度は負で出てくるんだ。
そういうことか。何となく分かったわ。加速度の大きさを
として、図を描くと
だと、
になるので、だんだん速くなるし、
だと、
になるので、だんだん遅くなるね。
だから、等速運動だね。