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物理の完全制覇 プラチナ例題[力学・熱・波動編]
値段 | 1,300円+税 |
ページ数 | 216ページ |
出版年 | 初版2019年 |
「はじめに」より抜粋
〜難関国公立大,難関私大の医学部および理系学部を目指す人に
一方,大学入試の問題は「どの物理法則を適用すればいいのか,どの物理法則を適用してはいけないのか,自分で判断しなさい」というものがほとんどです。
本書では,この判断力を磨いていただくことを目的としています。
また,多くの問題集や演習本がいわゆる「良問」を扱っています。
この良問とは,従来のセンター試験などに出題されるタイプ,言い換えると直球型の問題で,早く解くことができます。しかし,この良問タイプは大学入試全体の出題率でいうと50%以下といわれています。
では,残りの50%以上はどうかというと,高校物理の基本事項を使うことに変わりはありませんが,いくつかの基本事項が組み合されていたりしていて,解くまでに時間がかかる考察問題です。合否を分けるのはこの部分です。難関大学の問題ほど,こうした傾向が強いのです。
本書は高校物理の学習をひと通り終えて,これから大学入試に向けた問題演習を始めようという人に読んでいただきたいと思っています。本書で何度か演習したのちに,具体的な志望校の過去問演習に挑戦することをおススメします。
目次
第1章 力学編
01 運動方程式
02 運動の種類
03 摩擦力
04 摩擦力による運動
05 放物運動
06 力の分解
07 物体に作用する力・作用しない力
08 相対運動
09 円運動の運動方程式
10 円運動の相対運動
11 力のモーメント
12 重心位置の意味
13 静止している剛体
14 転倒
15 単振動の運動方程式
16 分裂
17 ケプラー運動
18 楕円軌道ではないケプラー運動
19 重力単振動
第2章 波動編
20 波動の式とうなり
21 波の式とグラフ
22 定常波
23 波の干渉
24 薄膜干渉
25 ドップラー効果と斜めの反射
26 ドップラー効果の原理
27 円運動とドップラー効果
28 屈折とレンズ
29 レンズによる像
30 干渉による光の抽出
第3章 熱力学編
31 物体の三態変化
32 理想気体の状態方程式
33 状態方程式と内部エネルギー
34 気体の拡散・混合
35 状態方程式と力のつり合い
36 熱気球
37 浮力と状態方程式
38 p-Vグラフの読み取り
39 p-Vグラフとエネルギー
40 真空への気体の拡散
41 熱力学の近似計算
運動方程式の立て方
運動方程式を使う最初の問題
図1のように質量Mの板Aの上に,質量mの物体Bが置かれている。板Aは,鉛直方向に固定されたレールに沿って,水平を保ったままなめらかに運動することができる。また,板Aには,鉛直方向の力のを加えることができる。重力加速度の大きさをgとして,以下の問いに答えよ。ただし,空気の抵抗は無視できるものとする。
問1 板Aに鉛直上向きに一定の大きさF0の力を加え,物体Bをのせたまま,板Aを一定の速さv0で上向きに運動させた。
1 板Aを一定の速さv0で運動させるために必要な力の大きさF0を求めよ。
2 板Aが一定の速さv0で距離Lだけ上昇する間に,重力がいたAと物体Bにした仕事の合計Wを求めよ。
問2 次に,板Aをゆっくり減速させる場合を考えよう。いま,速さv0で上向きに運動している板Aに大きさF0の力を上向きに加えたまま,さらに一定の大きさF1の力を下向きに加えた。このとき,板Aは一定の加速度でゆっくり減速し,物体Bは板Aから離れることなく一体となって運動した。図2はこのときの板Aの速さvと時刻tの関係を,vが0となるまで示したものである。
1 減速中における板Aと物体Bに対する運動方程式をそれぞれ書け。ただし,板Aの加速度の大きさをa,物体Bに働く垂直抗力の大きさをNとせよ。
2 新たに加えた力の大きさF1と垂直抗力の大きさNをそれぞれm,M,g,aを用いて表せ。
3 物体BがいたAから浮き上がらないためにはaはどんな条件を満たす必要があるか。
問3 今度は,板Aを速さv0からすばやく減速させる場合を考えよう。下向きに加える力の大きさF1をある値より大きくしたところ,板Aは一定の加速度ですばやく減速し,物体Bは板Aから離れて浮き上がった。その後も,板Aが静止するまでこの力をかけ続け,板Aが静止した瞬間に,板Aをその位置に固定した。図3は,このときの板Aの速さvと時刻tの関係を示したものである。減速中の板Aの加速度の大きさをa’として,以下の問いに答えよ。
1 物体Bが浮き上がってから板Aが静止するまでの時間T0はいくらか。また,その間に板Aが上奏した距離Hはいくらか。それぞれa’,v0を用いて表せ。
2 物体Bが浮き上がってから最高点に達するまでの時間T1はいくらか。
3 物体Bが最高点に達してから板Aの上に落下するまでの時間T2はT1の何倍か。
[新潟大学]