
「単振動」ってちょっと苦手。しかも「慣性力」まで出てきて、ちょっと嫌な感じ。
この問題自体はそんなに難しくないんだけど、「単振動」、「慣性力」は苦手な人が多いし、摩擦力も絡んでいて嫌な印象を持つのは仕方がないかな。とりあえず、「
単振動」と「
慣性力」について、リンクしてあるページを見てみてね。
先に「慣性力」から考えるね。簡単に言うと、「加速している人から見ると、その加速度と逆向きに

の力がはたらいているように見える」。この力を「慣性力」って言うんだ。

この図の赤い矢印が「慣性力」なのね。図があると少し分かりやすい。
「慣性力」では観測者の加速度が大切だったので、「単振動」の慣性力を考えてみるよ。どんな式で表されるか、覚えているかな。

そうだね。じゃあこの式を見て、加速度の大きさの最大値が分かるかな?
「大きさ」だから符号は関係ないわね。加速度aはsinの関数になっていて、sinの最大値は1だから、

の大きさの最大値は

かな。
それじゃあいよいよ問題で問われている、「慣性力の大きさの最大値

」はどうなるかな。
さっきの説明の通り、慣性力の大きさは

なんだから、

だよね。
じゃあ、後半の摩擦力の問題を考えよう。まずは台に乗った観測者から見た力の矢印を描いてみよう。

さっきの慣性力の他に、重力と垂直抗力があるのね。ただこれだと右向きの力がないと物体は動きそう。
そうだね。だから摩擦力がはたらいているんだ。摩擦力の問題で、「〜を超えたときに〜は滑り始める」と書いてあったら、
最大摩擦力

ね。
そうだね。最大摩擦力の式に出てくる係数は「静止摩擦係数」だということを、間違えないでね。

ここまでくれば、だいたい答えはわかったと思うけど、一応、正の向きを決めます。

y方向(鉛直上向き正)について、力の釣り合いを考えると、

だね。
ということは、

となるので、最大摩擦力は

になるのね。