この分野は高校物理で最後に学習するので、あんまり問題演習もできていなくて、苦手な人が多いよね。苦手な受験生が多いので、あまり難しい問題はないんだよ。なので基本が分かれば簡単なんだけどね。この問1も教科書に図が載っているので、覚えていればすぐに答えが分かるね。
見たことあるような気もするけど、あんまり覚えていないわ。
そうだね。覚えていない場合は、問題文にたくさんのヒントが書かれているよ。
そうか。じゃあゆっくりと読んでいこう。
粒子は分かるかな?
そうだね。
粒子は陽子2個と中性子2個で構成されているんだね。なので、問題文にも書いてあるけど、正の電気を持っているんだ。
じゃあ次は、この実験で、「原子核は正電荷が狭い部分に集中している」っていうことが突き止められた、って書いてあるね。
黒丸が原子核で、左側から
粒子が原子核の近くを通るとどうなるか、っていうことなんだけど、ここで重要なのは原子核も
粒子も正の電気量を持っているっていうことなんだ。
そうなんだ。だから、この④、⑤、⑥はどれも
粒子が原子核を通り過ぎてから、曲がっているでしょ。反発するんだから、通り過ぎる前に曲がる図を選ばなきゃダメなんだ。だから④、⑤、⑥は選択肢から除こう。
原子核が小さい、っていうことが言えそうな図を選べばいいんだけど・・・
①は原子核が小さいっていうよりは、正の電気があるから避けたって感じね。大きさはあまり示せていないと思うわ。
②は・・・この図ってなんか変じゃない?原子核の近くを通る
粒子があまり曲がらないで、原子核から離れた場所を通る
粒子が大きく曲がっているわ。
その通りだ。②はそもそもおかしな図なんだ。というわけで、答えは③だよ。
原子核の近くの方が大きく曲がって、離れるほど曲がり方が小さくなっているわね。
ちなみに、もし原子核が負の電荷を持っていたら、⑥のような動きになったろうね。問2にいこう。
なんとなくだけど、アに入るのは「エネルギー」しか無いような気がするの。電子の質量が徐々に減るっていう話は聞いたことないし、電荷も徐々に減るなんてあり得ないでしょ。だって電子の電気量が最小なんだもんね?
そうだね。消去法でエネルギーが導き出せたね。本質はすごく難しいみたいなんだけど、簡単に説明すると、電気を持った電子が円運動という加速度運動をしているので、電場が変化していることになるんだ。電場が変化すると磁場が変化して、磁場が変化すると電場が変化して・・・というわけで電磁波が放射されるんだよ。電磁波を放射すると、その分エネルギーが減少するっていうことだね。
そうだね。で、イは「光電子」か「光子」のどちらかなんだけど、分かるかな?
原子中の電子って、決まったエネルギーしか持たないんだ。その決まったエネルギーの状態を「定常状態」っていうんだよ。
だとすると、電子が別のエネルギーになった、ということだけだから、そこから電子が放出されるのはおかしいわよね。イは光子ね。
正解だ!答えは④だね。ちなみに「光電子」っていうのは、光電効果という現象で出てくる電子のことを言うんだ。
全く分からないわ。選択肢を見ても何だかさっぱり分からない。
これは、ボーアの量子条件って言うんだけど、覚えておくしかないんだよ。だけど、違う方向から覚えることも一応できるんだ。
単純に式を暗記するよりも、少しは覚えやすいと思うんだけど、まずは電子の円軌道の円周の長さが、電子を波と考えたときの波長の整数倍になるっていうことを考えるんだ。式で表すとこうなるんだ。
あとは、電子を粒子と考えたときの運動量と、電子を波と考えたときの運動量を覚えておいてね。
計算は難しくないんだろうけど、すごく難しく感じるわ。
慣れないとやっぱり難しいかな。とにかく答えは⑥だ。