「やさしい高校物理(物理基礎)」は,いろいろな使い方が可能ですが,基本的な使い方を紹介します。
定期テストがますます重要になります
今までも定期テストは重要でしたが,今後はますます重要になります。
- 大学入試でAO入試(総合型選抜),推薦入試(学校推薦型選抜)による入学者数がますます増える
- 大学入試の一般入試でも調査書の内容を見られるようになる
私立大学では,AO入試,推薦入試での入学者数はすでに半数を超えています。国公立大学ではまだ10数%ほどですが,30%まで拡大することを目指しています。また,調査書では高校時代にどのような活動をしてきたかということが大切になりますが,調査書には成績も書かれていますので,実質高校での成績も今まで以上に見られることになります。
実際に大学入試の変化もありますが,そもそも定期テストごとにきちんと勉強していれば,それがそのまま大学入試対策になることは間違いありません。いずれにしても,定期テスト対策をしっかりと行いましょう。
定期テスト対策は,教科書と学校で使う問題集で十分?
正直に書くと,定期テスト対策は,教科書と学校で使っている問題集で十分だと思います。満点が取れるかどうかは様々な要素があるのでなんとも言えませんが,良い成績を取るには授業で使っているものだけで十分でしょう。
しかし内容的には教科書と問題集で十分なのですが,教科書と問題集だけで内容が理解できるのか,という別の問題があります。
教科書を読んでもよくわからない,という高校生が必ずいます。教科書自体はできるだけ分かりやすく書かれてはいるのですが,様々な制約の中で作られているので,どんな高校生が読んでも分かる内容,ということにはなりません。問題集も教科書ほどではありませんが価格などに制約があるためページ数を増やすことができず,どうしても誰でも分かるような解答・解説にはなっていません。
教科書を読んでもよくわからない,という人にぜひ手にとってほしいのが,「やさしい高校物理(物理基礎)」です。また「やさしい高校物理(物理基礎)」で物理の基本が分かったら,問題集の解説も理解できるようになるでしょう。
「やさしい高校物理(物理基礎)」の特徴
「やさしい高校物理(物理基礎)」は次のような特徴を持っています。
厳選された問題を,徹底的に説明しています
高校物理に必要な基本的な考え方を身につけるための問題を厳選して,問題数をかなり絞っています。範囲としては高校の「物理基礎」の問題だけですが,もちろん「物理」にも繋がるような問題です。問題数は少ないですが,書店で手にとって見ると分かりますが,かなりの厚さです。本編は501ページまであります。厳選された問題を徹底的に解説しています。
2人の高校生と先生,3人の会話形式で進みます
会話形式にすることで,物理の世界に入り込みやすくなっています。そもそも教科書のような一方的な説明が難しいと感じている人向けの本ですので,雰囲気が変わっていて,また会話形式は漫画にも通じるようなところもあり読みやすくなっています。
会話形式にすることで,
- 難しいポイント
- 間違いやすいポイント
- 勘違いしやすいポイント
などを自然に取り込んで,理解が深まるようになっています。
一例を上げておきます。
途中のページなので分かりにくかもしれませんが,「平均の速さ」について,間違っている説明をしようとしています。これは,習いたてのところでは間違いやすいポイントの例です。(e-hon(全国書店ネットワーク)のページはこちらからどうぞ)
たくさんの図を使って説明しています
物理では物体が動く様子を考えたり,見えない「力」を考えたりします。そういうときには「図」を使った説明がとても有効です。時間の流れに対応させてそれぞれ図をかき分けていますし,力の矢印も1つの図で完成させるのではなく,力の矢印をかく順番に1つずつ図をかき足しています。
基本的な要素ほど徹底的に説明しています
通常であれば,1〜2ページ程度の説明で終わらせる次のような説明に,たくさんのページを割いています。
- くまのぬいぐるみにはたらく力の矢印のかき方に8ページ
- 物理で必要な三角比の説明に11ページ
- 有効数字の説明に14ページ
さらに,最後のページには物理基礎でよく使われる「文字」と「意味」と「単位」の表もつけました。たとえば,アルファベットの「F」であれば,意味は「力」で,単位は「N」という感じです。物理が苦手な人にとっては,とても大切な表になっています。
「やさしい高校物理(物理基礎)」の使い方
まずは問題を解いてみよう
「やさしい高校物理(物理基礎)」には,本冊に掲載した問題を抜き出した「掲載問題集」という取り離して使える別冊子がついています。501ページの本冊とは別に,問題と答えを合わせて35ページの冊子が後ろについているのです。この冊子を使って,まずは問題を解いてみましょう。
解いた問題の解説ページを読んでみよう
問題は解けましたか? 解けても解けなくても,問題の解説ページを読んでみましょう。解説とは言っても,2人の高校生と先生,合わせて3人の会話形式で話が進んでいくので,とても読みやすいと思います。
解けなかった人は,ゆっくり,じっくり,しっかり読んでください。「速さ」と「速度」のように,1文字違うと違う意味になるので,注意深く読んでみましょう。ちょっとした違いに気が付かず,文章を読み流してしまうために理解が深まらないのでは,勉強をしているのにもったいないです。
問題が解けた人も,ぜひ解説のページを読んでください。問題の解説だけではなく,たくさんの情報が書かれています。
- 「Point」・・・必要な公式を中心に,覚えておくべきとが書かれています
- 「コツ」・・・問題を解く流れ,考え方などが書かれています
- 「要チェック」・・・本文中の重要なポイント(主に先生の言葉)に,赤線が引かれています
本文はもちろん,たくさんの図の中にも大切なことが書かれているので,すみずみまで読んでください。注意深く読むことで,新しい発見があったり,理解していなかった事項がしっかりと理解できるようになるでしょう。
教科書を読んで,問題集の問題を解いてみよう
一度「やさしい高校物理(物理基礎)」でやった範囲は,教科書の内容も入ってきやすくなっているはずです。今まで難しいと感じていた事柄も,わかりやすく感じるでしょう。
次に問題集の問題を解いてみましょう。確実に以前よりも問題が解けるようになっていますね。解けなかったとしても,問題集の解説で書かれていることが理解できるようになっているでしょう。
定期テストに向けて学校で使用している教科書を読んで,問題集の問題を解くことが,「物理」を理解する大切なポイントです。そのために「やさしい高校物理(物理基礎)」を十分に活用してください。