子どもの科学的な行動に、大人も一緒に付き合おう!

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こんな設定あり?と思いますが、結果は興味深いです

学研教育総合研究所が2012年7月に、小学6年生の子どもを持つ保護者に行った調査には、興味深い結果が出ています。(この調査は、子どもではなく、保護者に行っています。)

【ふたご座流星群の観察】冬のある日、突然子どもが、「今夜はふたご座流星群の観察をするから、一晩中星が見えるところで夜空を見上げるんだ」と言い出した。子どもは家のベランダで一人で張り切って防寒着を着込み、寝袋や双眼鏡も準備している。新聞を見てもふたご座流星群が特に活発な活動を見せるらしいという記事はどこにも載っていない。

回答の選択肢 1. 観察をやめさせる。
2. 好きなようにやらせる。
3. 一緒に観察する。
4. 配偶者、教師や専門家等に相談する。
5. インターネットなどで確認する。

このような調査をして、それぞれの選択肢を選んだ保護者の子どもが、理科が好きかどうかをグラフにしています。

ふたご座流星群 例えば、前述の質問に、「観察を辞めさせる」と答えた保護者は246人にて、その内「子どもは理科がとても好き」と答えた保護者は17.9%、「子どもは理科がまあ好き」と答えた保護者は54.9%ということです。

この質問は少し意地悪ですね。普通は明らかに流星群が観察できるという報道があって、それに保護者が付き合うかどうかでしょう。正直に書くと、そもそも報道されていない流星群を、子どもが「観察する!」と言い出したら、私ならやめさせると思います(その前にネットで確認するかもしれませんが)。そういう意味では、一緒に観察するという保護者が、やめさせる保護者よりも多いというのは、すごいことだと感じます。

好きなようにやらせるのは、あまり良くない!?

このデータで特徴的なのは、「子どもは理科がとても好き」と答えた保護者が多く回答したのは「ネットなどで確認する」なんです。理科好きに最も効果がありそうなのは、「一緒に観察する」という回答だと思いましたが、予想とは異なる結果でした。「まあ好き」まで含めると、「一緒に観察する」と「ネットなどで確認する」はだいたい同じになります。

もう一つ予想外の結果が、「好きなようにやらせる」、「配偶者、教師や専門家に相談する」という選択肢と、「観察を辞めさせる」がほとんど同じということです。この質問がたまたまだったのかもしれませんが、他の質問でも同様の結果が出ています。

【化石探し】と【シャボン玉作り】も同様の結果です

【化石探し】ある日、子どもが「恐竜の化石を見つけたんだ」と言って、普通の石にしか見えない石を大事そうに持ち帰ってきた。その日を境に「もっと化石を見つけるんだ」と言って、近所にある崖から、毎日大量の石を持ち帰るようになってしまった。子どもは帰宅すると金槌を取り出して集めてきた岩を片っ端から叩き割り、虫眼鏡を使って化石探しをしている。

回答の選択肢 1. 化石探しを、やめさせる。
2. あきるまでやらせておく。
3. 一緒に探す。
4. 配偶者、教師や専門家等に相談する。

化石探し

【シャボン玉作り】夕飯の支度をしている最中に、庭でシャボン玉遊びをしていた子どもが、「もっと大きなシャボン玉」を作りたいと言いはじめた。最初は針金の輪っかを大きくするなどしていたが、そのうちシャボン玉の薬剤にもっと粘りがあった方がいいと思いついたらしく、台所から洗剤、石けん、ノリ、ご飯、納豆、山芋などの材料や道具を持ち出し、いろいろと試しはじめた。

回答の選択肢 1. すぐにやめさせる。
2. あきるまでやらせておく。
3. 一緒になって試してみる。
4. 配偶者、教師や専門家等に相談する。

シャボン玉

もちろん少しの前後はありますが、おおよその傾向は同じですね。「子どもと一緒にやる」と答えている家庭では、子どもが理科好きである割合が高くて、「やらせておく」のは、「やめさせる」とほとんど変わらない、ということです。

やはり、子どもの興味に大人も付き合うのが大切です

データが少ない項目もあるので、一概には言えませんが、子どもの近くにいる大人が直接関わってあげると、子どもには効果的なのではないでしょうか。一緒に付き合うのはもちろんですが、一緒にネットなどで確認するのも同じような効果があるということです。逆に、やめさせるのはもちろん、やらせておくのも、子どもが興味を持ったことに対して、大人が何もしてあげていません。そのあたりに少し問題があるのでしょう。「配偶者、教師や専門家等に相談する」という項目も、子どもと一緒に相談するという状況だと、効果があると思うのですが、どうでしょうか。

 しかし、問題が・・・

あくまでもこの調査は、子どもが科学的なことに興味を持ったときに、大人がどう対応するかというものです。質問の設定も、無くはないけど、実際にこんな事あるかな?という印象もあります。

子どもが科学的なことに興味を持ってくれればいいのですが、そもそも興味を持ってくれなければ、どうすればよいのでしょう。もしかすすと、子どもは科学的なことに興味を持っているのに、大人が気づいていない可能性もあります。

つまり、子どもに対して「科学的なことに興味を持って欲しい」ということであれば、まずは大人が科学的なことに興味を持つ、周囲の事に科学的な視点を持つ、ということが必要なのではないでしょうか。そのためにこの「理科が好き!.com」を立ち上げたのです。

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